緊張しにくい状態を作る

・自尊心が低いと緊張しやすくなる
緊張に近い概念の「あがり」と「自尊心」にどのような関連があるかを研究した結果に、自尊心が低い人ほど緊張しやすくなることがわかっています。例えば、人と接するときにあがらない人は「自尊心が78%」あったのに対し、非常にあがる人は「自尊心が52%」しかなかったのです。あがりにくい人に対してあがる人は30%以上も自尊心が低いことがわかります。そのため、緊張しにくい状態を作るには、自分に自信を持つことが大切になります。



・小さな成功体験で自信をつけよう!
ただ自信をつけると言っても、なかなか簡単にはいかないでしょう。自信をつけろ!といって自信がつくなら誰だって自信満々になってしまいますよね。自信をつけるコツの一つに、“自分の身の丈にあったチャレンジを繰り返し小さな成功を積み重ねていく“というものがあります。

自信が無いからといってチャレンジしなければ、自信を付ける事にはつながりません。また、自分の身の丈以上のチャレンジをしても失敗の確率が高く、更に自信をなくしてしまうことにもつながり兼ねません。簡単すぎず、難しすぎない課題を自分の中で作って、少しずつ自分の領域を広げていくことが自信をつけるコツになります。チャレンジするときは成功確率が70%ぐらいのことにチャレンジしていくと良いでしょう。

私自身、仕事の難易度によっては断ることもあります。自分の能力は自分がわかっているので難しいとかんじる場合は前向きにあきらめることもありします。緊張を軽くするには自信が必要です。身の丈にあった適度なチャレンジから成功体験を積み重ねて、自信をつけましょう。



・あがることにこだわると逆に緊張しやすくなる
あがりの研究では“あがることにこだわる”だけで、あがりやすくなることもわかりました。例えば、あがっても困らないと答えた人は「“かなりあがる”が13%」に対して、あがりをなんとかしたいと答えた人は「“かなりあがる“が55%」という結果になりました。

これはとても矛盾した結果だと思いませんか。「あがりを治したい」と考えれば考えるほどあがりが強くなる可能性を表しています。心理療法の中には森田療法と言う分野があります。そこでは精神交互作用と言う言葉を使って、人間の心理を考えることがあります。精神交互作用とは、ある精神症状を改善したいと考えれば考えるほど逆にその症状を強くしてしまうという心理的な作用を意味します。

すなわち人間の心とは矛盾したもので、「あがりを治したい」「緊張をもっと改善したい」と考えれば考えるほど緊張を強くしてしまうのです。緊張そのものにこだわることは、もっと緊張を強めてしまう危険性を秘めていることに留意しなければなりません。

前回のコラムで準備をしっかりし、リスクを分散させることが大切であるとお伝えしました。これはある意味「多少は緊張してもOK!」と言う状態を作り出す作業でもあります。緊張=アウト!と言う状態を作ると余計に緊張にこだわってしまいます。緊張=特に問題なし!と言う状態を作ると、精神的に余裕を持てるようになります。

緊張やあがりは人間の自然な感情のため、直接どうにかして効果を得る事は難しいでしょう。それよりもやるべきことをやって、本番では多少緊張してもok!緊張しながらやるべきことをやる!と言う心が大切になってくると考えましょう。



次のコラム
「緊張を軽くする訓練」



参考サイト:「コミュニケーション能力知恵袋(緊張コラム)」